【初心者必見】カエルの飼育方法を徹底解説

今回はカエルの飼育方法と一緒に飼育器具も紹介します。環境によって飼育方法も異なりますが、飼育する前にどのようなエサが必要でどういった器具が必要なのかおおまかな飼育方法を記載しますので参考にしてみてください。

 

カエルの入手方法と値段、個体の選び方

カエルは世界で4400種類以上、日本でも43種類報告されており、誰もが一度は目にした事のある身近な生き物です。現在、爬虫類だけでなくカエルやイモリといった両生類をペットとして飼育している人口も増加しています。

カエルの入手方法と値段

カエルの入手方法方法には大きく分けて2つの方法があります。

① 野外で採取してくる
② ペットショップで購入する

①のメリットは実際にどのようなところでそのカエルが生活していて、どのようなエサを食べていたか、またその場所の気温や環境等を身をもって体感し飼育に役立てる事ができます。購入ではないのでお金がかからないというメリットもありますね。日本に棲息しないカエルを飼育したいならば②になります。カエルを専門としているペットショップやオンライン販売もあるようです。

 

個体の選び方

カエルを選ぶときに見てほしい、やってほしいポイントが3つあります。

① カエルの皮膚や体型等、外見を確認する
② 入荷の時期と食欲
③ 購入前のリサーチ

①の外見はとても重要です。家に迎えたとたんエサを食べずに・・・なんてことも可能性としてありえるのです。そこで選ぶ時にここを見てほしいというポイントを記載しましたので、生体を選ぶ際は注意してみてみてください。

・皮膚が乾燥していたり、脱皮の皮が残っていないか
・体に傷がないか(細菌感染を起こしてしまう可能性があります)
・目がしっかり開いているか、また体の軸がしっかりしているか

②の入荷時期と食欲があるかどうかですが、これはペットショップで購入する場合に確認します。入荷して時間が経っている個体であれば、ペットショップのスタッフにどんなエサをあげているか、餌食の時間帯、個体の性格等色々聞いてみましょう。

③はどんなペットにも言える事ですが、種類によって飼育環境や必要な飼育器具、エサ等が異なってきます。飼育したいカエルを見つけたらまずは自分でネットや本で調べてみましょう。事前に知識をえた上で環境を造って出迎えてあげてくださいね。

 

飼育におすすめのカエル6選

ひとえにカエルと聞いて「気持ち悪い」と考える方、この項でその考えをただしてほしい。前述したとおりカエルの種類は世界で約4400種類、つぶらな瞳で見つめてくるカエルもいればメタボだけど癒されるフォルムのカエルもいます。エキゾチックな柄をした鑑賞ようのカエルまでいるのだから、私は熱帯魚や小さなカメと変わらないんです。飼育する環境も千差万別でアクアリウムでインテリアとしても楽しめます。そんなカエルたちの中でも癒されること間違いなしのおすすめ種をピックアップしましたので是非検討してみてください。

 

アマガエル

地上棲
最大サイズ 2~4cm
値段 ¥1,000〜¥2,000
飼育難易度 3.0

 

 

ベルツノガエル

地上棲
最大サイズ 15cm
値段 ¥5,000〜¥30,000
飼育難易度 2.0

 

 

アカメアマガエル

樹上棲
最大サイズ 7cm
値段 ¥10,000〜¥20,000
飼育難易度 2.5

 

 

チャコガエル

地上棲
最大サイズ 7cm
値段 ¥20,000〜¥50,000
飼育難易度 2.0

 

 

ソバージュネコメガエル

樹上棲
最大サイズ 8cm
値段 ¥8,000〜¥20,000
飼育難易度 2.0

 

 

コバルトヤドクガエル

水陸棲
最大サイズ 5cm
値段 ¥20,000〜¥50,000
飼育難易度 3.5

 

 

 

カエルの飼育セット

カエルを飼育する上で、必ず必要なのが飼育器具です。飼育する個体によって整えなければならない設備が異なります。人間も同じですが、飼育環境で長生きする、しないを左右しますのでメンテナンスがしやすい、かつ棲息環境に近い飼育設備を準備してあげましょう。

・飼育ケージ
・床材
・シェルター / 植物

・プレートヒーター(パネルヒーター)
・温湿度計

 

飼育ケージ

ひとえに飼育ケージと言っても色々な素材、形があります。代表的なものをいくつかご紹介します。

 

ガラス水槽

メダカやカメを飼うようなガラス水槽のことです。サイズは小さいもので20cm四方のものから2m近いものまで様々です。ガラスなので観察がしやすく観賞用としてはもってこいのケージです。デメリットとしてはメンテナンスが大変です。私も以前、ピラニアを飼育していたのですが、ガラスなので重く掃除に手間がかかりました。また、石や流木のオブジェを入れた際に割れてしまう可能性もあるため丁寧なメンテナンスが必要です。

 

プラスチックケース

簡単に言えば虫取りカゴです。軽くて意外と丈夫で安価なためとても便利なケージといえます。サイズも色々な形があるのでカエルの環境によって購入しましょう。デメリットは見た目と傷がつき易いということでしょうか。

 

爬虫類両生類の専用ケージ

爬虫類のショップでも見かける前開きタイプのケージです。素材はガラスとプラスチックで前に引き戸や開き戸があるため、餌食や掃除がとても楽になります。爬虫類、両生類の類いは上から手を入れられる事を嫌いますのでこのケージはとてもおすすめです。デメリットは他のケージと比べ値段が少しはるくらいです。私もこれを使ってヘビ(カエルじゃありませんが…)を飼育していますがメンテナンスがとても楽になってペットとの距離が縮まった気がします。

 

 

床材

床材は生体の飼育環境にとても重要な要素です。土であればその中に潜って落ち着く事ができたり、水分を補給するためにも必要です。床材は汚れ易いため、掃除のメインとなります。飼育者がどのくらいの頻度でメンテナンスできるかでも選択肢が変わってきます。

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カエルの飼育でポピュラーな床材です。種類も「赤玉土」「黒土」「ヤシガラ土」「腐葉土」「ピートモス」等があり飼育環境にあった土を選んで使用します。保水性が高く、多少の排泄物であればバクテリアが分解してくれます。ただ、汚れ具合がわかりづらいためよく観察して掃除を行いましょう。

 

水苔

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保湿性が床材の中で最も高く、湿った環境に棲息する地上棲のカエルや樹上性のカエルで、湿度が高い環境を好む種類に向いています。常に湿っているため細菌が増殖しやすくカビが生えてきますのでこまめなメンテナンスが必要です。

 

砂/砂利

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様々な大きさと成分が存在する床材です。熱帯魚や海水魚用に販売されている大磯砂が一般的です。中途半端な大きさの砂利だと誤って飲み込んでしまうため注意が必要です。また、砂は乾燥するとカエルの皮膚にくっついてしまうため地中棲のカエルには向きません。また、表面に角のあるような砂利、砂はカエルの体表に傷を付けてしまうので避けてください。

 

スポンジシート/キッチンペーパー/その他

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スポンジシートとは厚さ1、2cmのスポンジシートでホームセンター等に置いてあります。キッチンペーパーも保水性が高く排泄物が一目で分かるのでいつも清潔に保つ事ができます。他にも鉢底ネットを床に敷いて水を張ると言う方法もあります。私はベルツノガエルにこれを使っています。ずばりメンテナンスが楽だからです。何も敷かないで水を貼るとカエルがガラスで滑ってしまい足を踏ん張れず、足腰が弱ってしまいます。ただ、この床材はかなりシンプルな設備なので観賞用としては不向きです。

 

シェルター / 植物

カエルは夜行性の種類が多く昼間は物陰に隠れたり、土の中に潜ってじっと身を隠しています。昼行性のヤドクガエルでも夜間、寝る時はシェルターや植物に身を隠して寝ます。人間の気配や光でストレスを与えないような環境を造りましょう。流木なんかは雰囲気がでるのでオススメです。ただ、表面が尖っていたり、ザラザラしているものはケージ内には入れないようにしてください。カエルがぶつかって怪我をしたり、体表に傷がつく可能性があるからです。

 

床材が土であれば植物を植えてあげましょう。植物はシェルターや排泄物の分解等いろいろな役目を果たしてくれます。また、ケージに緑が入る事でケージのレイアウトも楽しめます。入れる植物は湿度に強い種類を選ぶ必要があります。具体的には下記のような植物になります。

ポトス

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オリヅルラン

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アナナス

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アビス

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パネルヒーター / プレートヒーター

カエルは変温動物です。冬期は気温が下がるため活動ができなくなります。しかし、ペットショプで売られているカエルたちのほとんどは熱帯に棲息するため、気温を20~25度程度で保たなければなりません。体温が下がると食欲不振や消化不良等を引き起こす可能性があるのです。そこで気温を保つための飼育器具が必要になってきます。

※温度計をケージに取り付けて管理しましょう。

 

 

プレートヒーター

爬虫類や両生類を飼育を検討した方は一度は目にしたでしょう。フィルム状の薄いヒーターでケージの下や側面に貼付けて使います。温度設定は適切な温度になるように自動的に行われる優れものです。ケージ全体に敷くのではなく、半分だけ敷いてあげてください。理由はケージが熱くなりすぎた際、カエルの逃げ場所を残しておくためです。このヒーターは主に地上棲のツノガエルやヒキガエル等に向いています。カエルだけでなく爬虫類の飼育でも重宝する飼育器具なので重宝します。

私はこれを使っています。ケージの大きさに合わせて丁度いいサイズを購入してあげて下さい。

 

熱帯魚用の水中ヒーター

水中用のヒーターで水量の多いケージで使用します。カエルがぶつかって火傷をしないよう必ずカバーを装着して利用します。水中棲であるペパピパやウシガエル、アベコベガエル、ウキガエル等に向いています。

室内温室(エアコン)

電気代はかかりますが一番わかりやすい温度管理方法です。多頭飼育の際は1つ1つのケージにヒーターを取り付けるのは手間になるため、室内の温度を管理した方が楽になります。

 

カエルの温湿度管理と照明

カエルの温湿度管理

湿度はカエルの種類によって管理方法が異なります。サバンナ地帯で湿度が10%もない環境に棲息しているものも居れば、熱帯雨林のような湿度がほぼ100%のとこのに棲むものもいます。湿度を高める必要がある場合は通気を意識しながら、水入れを少し大きめにしたり霧吹きでケージ内を湿らせてあげます。乾燥地帯のカエルは湿度が高過ぎると皮膚病を発症する恐れもあるので、個体によって環境に合った管理を心がけましょう。

 

カエルの飼育に照明は必要?

太陽光には昼行性の生き物にとって必要な紫外線が含まれており、体内でビタミンDを活性化してカルシウムの吸収を促進する働きがあります。しかし、カエルは夜行性の種類が多く日光浴もほとんど行わないので、飼育下において強い紫外線を含む照明は必要としません。

ただ、昼行性のヤドクガエルやソバージュネコメガエルに関しては爬虫類用で弱い紫外線を含んだ専用の蛍光灯を用いると昼と夜のメリハリも付き、生体を良い状態で飼育する事ができると言われています。観賞のための雰囲気作りにも使用できます。

 

カエルのエサについて

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最後の章になります。ここも飼育環境同様とても大切な項目です。カエルの種類によってエサの量やエサを与える間隔が変わります。また、カエルの生活スタイル によって食べるエサも食べ方も異なります。下記にエサの種類とカエル種類ごとの餌食についてまとめましたので、自分の飼育したい個体の参考にしてみてください。

 

 

カエルのエサの種類

コオロギ


いつも言いますが私の苦手なコオロギ・・・しかしカエルにとっては御馳走です(笑)暖かい時期に野外で採取しておいて与える事もできますが、手間等を考えるとペットショップで購入するのが良いでしょう。価格は1匹数十円ほどで、種類は黒くて大きな「フタホシコオロギ」と薄い茶色で動きの早い「ヨーロッパイエコウロギ」の2種類になります。コオロギは簡単に繁殖させる事ができるので生まれたての小さなコオロギと成体のコオロギをカエルのサイズに合わせて与えましょう。コオロギの繁殖はつがいをケージに入れ、温度を25度前後に保つと卵が2,3週間で孵化します。コオロギのみで飼育する場合は栄養不足を補うためにカルシウム剤や総合ビタミン剤をまぶして与えましょう。動きの鈍いカエルにはコオロギの足を取ってあげたり、ピンセットで与えるとスムーズに食べてくれますよ。デメリットは少し臭いがあるので慣れが必要です。

 

マウス

う ちのベルツノガエルの主食でもあるマウスは、肉食傾向の強いカエルに向いているエサになります。ハツカネズミのことを指しますが、生まれたてのピンクマウスから大きさによってファジー、ホッパー、アダルトと呼び名が変わり、カエルの大きさに合わせて与える事ができます。基本的には冷凍してあるマウスをお湯 につけたり、自然解凍してから与えます。冷凍のままや解凍が中途半端だと消化不良で体長を崩してしまうので気をつけましょう。昆虫に比べ栄養価が高いため 与え過ぎは禁物です。価格は大きさによりますが1匹1~300円程度と少しお高め。冷凍保存できるのでエサの維持は一番楽ですね。

 

ミールワーム

ペットショップで売られるミールワームには2種類あります。1つは全長3cm前後のゴミムシダマシの幼虫、もう一種は全長5cm前後で数年前から売られるようになったジャイアントミールワームです。カエルの大きさに合わせてあげるミールワームを使い分けます。しかし、栄養価が低くエサのバリエーションの1つとして考えた方が良いかもしれません。カルシウム剤やビタミン剤を振りかけましょう。また、エサを丸呑みするカエルの場合消化を促進するためジャイアントミールワームに関しては頭をつぶしてからピンセットで与えましょう。

 

ショウジョウバエ

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ヤドクガエルやアデガエル等の小型のカエルに与えるエサになります。ショウジョウバエはエサ用としてペットショップに売られています。売られているショウジョウバエは羽を退化させており飛べなくしており、フライトレス、ウィングレスと呼ばれます。繁殖も容易で入れ物にショウジョウバエの幼虫のエサを入れ2週間程度でかなりの数が繁殖するので、それにカルシウム剤等をかけて与えます。

 

人工飼料

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カエルは基本的に生きたエサしか食べませんが、一部の種類で人工飼料を食べるカエルも居ます。ツノガエル類がその例で、カメ用のエサやパックマンフードと呼ばれる専用のエサも販売されています。生き餌が苦手な方はここから始めて見ると良いかもしれません。

 

小魚

水中で生活するペパピパや水棲傾向の強いウシガエル、雑食のツノガエル等に与えます。原則として淡水魚を選びます。金魚やドジョウ、メダカ等を与えますが、栄養価がそれほど高くないため水棲のカエル以外の常用は避け他方が良いでしょう。

 

カエルの種類ごとの餌食

ツノガエル類

エサの種類 餌食の間隔
マウス、昆虫、魚、人工飼料 幼体時 2〜3日に1回
成体時 10〜14日に1回

 

樹上棲のカエル

エサの種類 餌食の間隔
カエルの大きさに合わせた昆虫 週に2〜3回

 

地上棲のカエル

エサの種類 餌食の間隔
昆虫 霧吹き後に餌食
週に1〜3回

 

ヤドクガエル類

エサの種類 餌食の間隔
ショウジョウバエ ほぼ毎日

 

水中棲のカエル

エサの種類 餌食の間隔
魚が主食でたまにマウスや昆虫 週に2〜3回

 

いかがでしたか?カエルはたくさんの種類がいます。可愛い、綺麗、存在感のあるカエルまで様々です。家のインテリアとしてアクアテラリウムと一緒に育てている方もいます。飼育環境もそれぞれですので、個体にあった環境を準備してあげてください。

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